内部留保360兆円(平成28年8月)

内部留保とは

〇内部留保とは、会社が得た利益のうち、社内に蓄えられた分であり、現金に限らない。(不動産や有価証券の場合もある)

 

〇その内部留保(国内企業)が354兆円に達している。(平成27年3月末現在)

 

〇内部留保は、企業内に蓄えておくべきなのか、株主に還元すべきなのか、それとも給与として支払うべきなのか、問題となっている。


最大争点

国、証券取引所が作成したコーポレートガバナンスコード「(企業は)中長期的に社会の価値にを向上、経済全体の発展に寄与(すべき)」により、物言う株主が活発化→配当に回すべきとの主張
 
※国は、成長戦略の一つとして、内部留保を設備投資、賃金、配当に回し、景気回復につなげたい意向。
一方、企業側は、内部留保を吐き出すと、赤字に陥った際に、経営難になる可能性がある。経済が不透明な中、内部留保を蓄えておきたい。(経済連)

事例

黒田電機は、無借金で黒字経営。

株主より、利益還元を求められる。最終的に、利益還元の支持は、4割にまで拡大した。

株主側主張

(株主側)

コーポレートガバナンスコードによって、「株主の権利・平等性の確保・適切な情報提供と透明性の確保・株主との対話」が明確化された。これによって、株主の立場が明確になり、より物を言いやすくなる。株主総会にて、配当金を決められるようにし、内部留保を吐き出させて、それを元手に、新しい投資を行っていく事が、日本経済の活性化には良い。

 

  
コードは、政府の成長戦略の中で作られたもので、作られた理由は、日本の企業が成長しない為、成長してほしいので作られた。
 経営者と株主が対話をして、中長期的な成長を達成してほしいとの考えに基づいている。

  

 

 

 

企業の意義

企業には、成長以外に、雇用の安定、企業の存続という目的がある。その為に、内部留保を確保しておく事は、理由になる。

 

ただし、企業側は、内部留保をただ持っているのではなく、どう生かすのかを説明すべきである。

アメリカでは

内部留保は、使い道がないのであれば、株主に返すのが原則。

 企業が利益を上げる方法がある場合、中長期と短期で、株主の間でも意見が分かれている。

 短期的に返還すべきという意見と、中長期で利益を上げられるのであれば、短期で返還すべきではないという意見が対立している。

対話の重要性

結局のところ、株式会社に関しては、株主と経営者との対話が必要不可欠である。

 

 

社会福祉士のコメント

最も危惧すべきは、内部留保目的の株式取引が活発化し、内部留保を吐き出した後には、何も残らなくなる可能性がある点である。

 

企業側は、いかに、中長期での株式保有にメリットを感じさせられるかが重要となってきている。

 

その為に、内部留保の活用方法を提示する必要がある。

 

しかし、国内経済が不透明な中、なかなか有用な投資先が見つからないのも現実である。 

 

景気の不透明感から、各国は、資金を市場に流してきた。そうした金余りの状態が続けば、短期投資が活発化し、いかに企業側が魅力的な中長期戦略を示す事ができても、優良企業が食い物にされる可能性は十分にあると考えられる。