高額療養費制度(平成28年7月)

問題点

保険の適用となった新薬については、高額療養費が使える為、本人の負担は少なくて済む。

 しかし、その分、財政を圧迫する為、このままでは、健康保険が破たんするのではないかと医師より警鐘が鳴らされた。

 

例:オプジーボ

日本の企業が22年を費やし開発。一人分で266円/月 

本人の負担は、12,000円/月 

(後期高齢・高額療養費適用時)


当事者・医師の思い

オプジーボの治療で効果があるのは、2~3割。

腫瘍が一度大きくなってから、良くなる人もいる為、薬剤投与の可否について判断する事が極めて難しい。

 

当事者及び医師は、より良い治療を受けたい(行いたい)と考えている。

 

また、新薬は高価であるが、他の薬剤で治療が困難であったケースも治療可能となる可能性があり、当事者にとっては、希望の光である事がある。

命の選別?

保険適用の有無によって、高額な薬剤は使えない人が出てくる。

また、保険適用外の薬剤を金持ちは、自費で使えるなど、命の選別につながる可能性がある。

 

現実に、イギリスでは、薬剤が保険適用外となった為に、治療が受けられなくなった人がいる。

社会福祉士のコメント

費用対効果が悪い為、生きられないとするのは、理不尽である。

 

しかし、子どもの貧困が叫ばれる現在において、費用対効果の高い子どもへの投資を行う事も、将来的には、安定的な社会の実現に不可欠である。

 

先ずは、当事者の声を一人一人丁寧に聞く事が肝要であろう。

 

それは、民主主義における大衆迎合ではなく、生きている一人として話を聞く事である。

 

その上で、保険料負担、薬価の見直し、薬剤の優先順位を聖域なく改正を行う事である。

 

その上で、上記の方法を超えた手法も検討されるべきである。

 

①民間保険の活用

この導入については、慎重に検討すべきである。命の選択という点では、変わらないからである。しかし、保険料に応じた保証を得られる点について、納得しやすい制度である。

また、行き過ぎると国・地方自治体の責任放棄につながる可能性がある。

 

②基金の創設

 

③規制緩和

薬剤の信頼性を保ちつつ、できる限り、手順を簡略化する事で、コストを下げ、薬価を抑える。

 

既得権益が存在しないか?その見直しが何より、重要であろう。国民に負担ありきで、議論が進む事に懸念を抱く。

 

 

医師からの警鐘

国頭医師(日赤)より、このままでは、保険財政が破たんすると警鐘がならされた。
薬剤費、85000億円(平成24年)である。
仮に、肺がん患者の半分(5万人)が1年間オプジーボを使えば、17500億円のコスト増となる。
また、こうした高価な薬剤は、他にも多くあり、これらが、保険適用となれば、健康保険制度自体が成り立たなくなる。
 

保険適用の優先順位

イギリスにおいても、費用対効果をもとに、一定の金額設定をしている。つまり、一定の効果がなければ、保険から外れるわけである。 

 

勿論、患者の事情を勘案している(患者が少ない、他に治療がない)のであるが、やはり、その基準をどこに設けるのかで、助かる命と見捨てられる命が生じるのは回避できない。

 

 

 

 

制度の改正提案

①健康保険に一定の制限を設けるべきではないか?

 

100歳の患者を101歳にする為に、3500万円を使うのかという問題。

 

制限を設けなければ、孫やひ孫の世代に、負担を残す事となる。

 

現在、高齢者(国民全体の25%)が6割の医療費を使っている。(平成25年度)

 

②薬価を下げる。

 

薬価を下げると、投資が制限され、新薬が開発されなくなる。(日本製薬工業協会)

 

新薬開発には、莫大なコストがかかっているが、お金をかけられなくなる。

 

また、難病などで患者数が少ない場合、その影響は顕著に出る可能性がある。

 

③税金や保険料を上げる。

 

医療費の増加に歯止めがかからず、高負担を強いられる。国民の理解は得られにくい。

 

④薬の使用に優先順位を付ける。

 

イギリスでは、費用対効果をもとに、保険適用の優先順位を付けている。

つまり、延命効果の割に費用が高すぎると保険から外される。

薬剤の高騰を抑制する手段として用いられ、費用対効果が悪くても、患者数が少ない場合や他の薬剤が無い場合は、保険適用としている。

イギリス国内でも、命の選別になるのではないか?という議論が行われている。

 

日本においても、費用対効果については、一部取り入れられている。厚生労働省は、よく売れた薬は、最大で5割安くしている。